令和2年度 舞鶴市立朝来小学校 いじめ防止基本方針
はじめに
いじめは、いじめを受けた児童の教育を受ける権利を著しく侵害し、その心身の健全な成長及び人格の形成に重大な影響を与えるのみならず、その生命または身体に重大な危険を生じさせるおそれがある重大かつ深刻な人権問題である。
舞鶴市立朝来小学校いじめ防止基本方針(以下「基本方針」という。)は、児童一人一人の尊厳と人権が尊重される学校づくりを推進することを目的に、舞鶴市、学校・地域住民・家庭その他の関係者の連携の下、いじめの問題の克服に向けて取り組むよう、いじめ防止対策推進法(平成25年法律第71号。以下「法」という。)第12条の規定に基づき、いじめの防止等(いじめの防止、いじめの早期発見及びいじめへの対処をいう。以下同じ。)のための対策を総合的かつ効果的に推進するために策定するものである。
いじめとは、児童生徒(以下「児童等」という)に対して、当該児童等と一定の人的関係にある他の児童等が行う心理的又は物理的な影響を与える行為(インターネットを通じて行われるものを含む。)であって、当該行為の対象となった児童等が心身の苦痛を感じているものをいう。
個々の行為が、「いじめ」に当たるか否かの判断は、表面的・形式的にすることなく、いじめられた児童生徒の立場に立ち、それぞれの感じ方や抱える背景を考慮して個別的に行うことが重要である。
また、けんかやふざけ合いであっても、見えない所で被害が発生している場合もあるため、背景にある事情の調査を行い、児童生徒の感じる被害性に着目し、いじめに該当するか否かを判断するものとする。
その際、次のような児童生徒の心理から、いじめられていることを相談しにくい状況にあること、そして一方では、「でも気づいてほしい」という思いがあることを受け止め、児童生徒の表情や様子をきめ細かく観察し、状況等を客観的に捉えることなどが必要である。
第1 いじめの防止等の組織
1 いじめの防止等に関する取組を実効的に行うため、校内に「いじめ対策委員会」を置く。
2 「いじめ対策委員会」の構成員は次のとおりとする。また、必要に応じて、関係する教職員や外部有識者等を加える。
校長、教頭、教務主任、生徒指導主任、いじめ・不登校対策担当、人権主任、教育相談担当、養護教諭、特別支援教育担当
3 週末の終礼で児童の情報共有を行うとともに、「いじめ対策委員会」を学期1回は実施し、記録化する。緊急に必要があるときは臨時に実施する。
4 「いじめ対策委員会」は、次のことを行う。
(1) 基本方針に基づく取組の実施、具体的な行動計画の作成・実効・検
証・修正
* 各学期末に検証を行い、必要に応じてより実効性のあるものへ
と修正を行う
(2) いじめの相談・通報の窓口
(3) 関係機関、専門機関との連携
(4) いじめの疑いや児童の問題行動などに係る情報の収集と記録、共有
(5) いじめの疑いに係る情報に対して、関係する児童への事実関係の聴取、指導や支援の体制及び保護者との連携等対応方針の決定
(6) 重大事態が疑われる事案が発生した時に、その原因がいじめにある
かの判定
(7) 重大事態に係る事実関係を明確にするための調査
(8) 当該重大事態を踏まえた同種の事態の発生防止のための取組の推進
5 保護者や関係機関等からいじめについての訴えがあったときや、いじめの対処がうまくいかないケース、基本方針や年間計画の見直し、重大事態が疑われる事案が発生した時等、必要に応じて、以下の構成員を加え、拡大委員会を開催する。
PTA会長、学校アドバイザー、スクールカウンセラー、主任児童委員、朝来地域子育て支援協議会長、外部関係機関等
なお、いじめの調査等に際して知り得た全ての個人情報については守秘義務を負う。いじめ対策委員会から退いた場合も同様とする。
第2 いじめの未然防止
1 基本的な考え方
いじめは、どの子どもにも起こりうるものであるとともに、どの子どもも加害者にも被害者にもなりうるものである。このことを踏まえて、すべての児童を対象に互いの個性や価値観の違いを認め、自己を尊重し、他者を尊重するなど豊かな感性を育むとともに、いじめを許さない集団づくりのために、全教職員がPTA等関係者と一体となって継続的に取組を行う。
学校は、子どもたちの様子や学級・学年等の状況を把握し、すべての教職員が子どもの内面理解に努め、その変化に敏感であること。好ましい人間関係を気づき、豊かな心を育て、互いに認め合い、支え合い、助け合う、いじめを生まない学級・学校づくりにあらゆる教育活動を通じて取り組む。
保護者は、子どもが、いじめの被害者にも加害者にもなりうることを理解し、子どもの日々の表情等を観察し、小さなサインを見逃さないこと。子どもを徹底して守り抜く姿勢と、いじめを容認しない強い意志を示す。いじめに気づき、いじめのおそれがあると思われるときは、速やかに学校、関係機関等に相談または連絡する。
2 いじめの未然防止のための取組
(1) わかりやすく規律ある授業の推進
* 落ち着いた雰囲気があり、きめの細かな指導に基づいた学習集団づくり
* 目当てや指示が明確な、焦点化・視覚化された授業づくり
(朝来小学校スタイルの定着・ユニバーサルデザイン化)
* 言語活動の充実
* 補充学習や個別の学習支援の取組
(チャレンジタイム・給食前指導・ジュニアわくわくスタディ)
* 教室環境の整備
(2) 自尊感情や自己有用感を育む学級経営
* 一人一人が大切にされ、安心して学べる学級
* はきはきとしたあいさつや返事をする学級
* 仲間と共に達成感を味わうことができる学級
* 行事や学習における主体性の育成
* 一人一人の頑張りや成長を認め合う取組の重視
(3) 豊かな心を育む取組の推進
* 魅力のある資料による道徳の授業づくり
* 思いやりの心を育成する人権学習の実施
* お互いに気づき合い、配慮し合うことのできる学級集団づくり
* お互いを認め合い、協力し合うことができる体験活動の充実
* 取組を通して主体的に活動することのできる特別活動
(児童集会・たてわり班活動<遊び・遠足・大繩・掃除>)
* 家庭・地域の人とのつながりを重視した活動の推進
(4) いじめについて理解を深める取組の推進
* 人権旬間の取組
* いじめアンケートの実施(6月・11月)。報告後、総括会議の実施。緊急に必要があるときはこの限りではない。
* 虐待児童の把握
* 二者面談に加え、適宜児童との懇談を実施
(5) 教職員の資質能力の向上を図る取組の推進
* 校内研修の実施(年3回)
* 校外研修会への参加
* いじめ不登校対策会議への参加
* 学期毎の学校評価による取組の振り返り
* 週末の終礼による行動目標の共有化
(6) 情報モラル教育の推進
* スマートフォン等をはじめとする通信情報機器についてのモラルや危険性に関する学習の実施
* ネットいじめを誘発する通信情報システムについての教職員
研修の実施
* 非行防止教室の実施(4・5・6年)
* 保護者への啓発
第3 いじめの早期発見
1 基本的な考え方
いじめは、遊びやふざけあいを装ったり、教職員にわかりにくい場所や時間に行われたりするなど、教職員が気づきにくく判断しにくい形で行われることを認識することが必要である。このことから、児童が示す変化や危険信号を見逃さないように、日頃からの児童の見守りや信頼関係の構築等に努める。
2 いじめの早期発見のための取組
(1) 情報の集約と共有
* いじめに関する情報については、些細なことも含め「いじめ対策委員会」で情報を共有する。
* 何でも相談し合える職場の雰囲気を醸成するとともに、共有された情報については全教職員で共有する。
* 緊急の場合は、臨時職員会議等で情報を共有する。
* 毎週1回終礼において、児童に関する情報を共有し、記録化する。そして、行動化につなげる。
* 教職員と児童との信頼関係を深める。
* 教職員と保護者・地域との信頼関係を深める。(家庭訪問、誠意ある丁寧な対応)
* 小中連携を密にし、引き継ぎの徹底を行う。
(2) 全児童を対象としたアンケート調査及び聴き取り調査を実施する。
* いじめ防止に関する授業(6月)。適宜実施。
* アンケート調査・解消への取組(6月・11月)
* 学校生活の課題解決につながるようなアンケート調査は適宜実
施。
(3) 相談体制の整備と周知
* 年3回教育相談週間(6月・11月・2月)を実施する。緊急に必要があるときはこの限りではない。
* スクールカウンセラー・PTA会長・主任児童委員等との情報
の共有
* 舞鶴市教育支援センター「明日葉」・舞鶴市いじめ相談室・子ども総合相談センター等との情報の共有
* 校内相談窓口の設置
第4 いじめに対する取組
1 基本的な考え方
いじめの発見・通報を受けた場合は、必ず校長に報告する。特定の教職員で抱え込まず、速やかに「いじめ対策委員会」で情報共有し、今後の対応について検討する。その際には、被害児童を守り抜くとともに、加害児童に対しては教育的配慮の下、毅然とした態度で指導する。これらの対応については、教職員全体の共通理解、保護者の協力、関係機関・専門機関との連携に努める。
2 いじめの発見・通報を受けた時の対応
(1) いじめと疑われる行為を発見した場合、その場でその行為を止め
る。
(2) いじめと疑わしき行為を発見した、あるいは相談や訴えがあった場合には、速やかに「いじめ対策委員会」で情報を共有する。
(3) 「いじめ対策委員会」を中心に関係児童から事情を聴くなど、いじめの有無の確認を行う。結果は、遅滞なく、校長が責任を持って教育委員会に報告するとともに、加害・被害児童及びそれぞれの保護者に連絡する。(記録と情報整理)
(4) 被害児童やその保護者への支援を組織的に行う。
(5) 加害児童への指導を行うとともに、その保護者に、よりよい成長に向けて学校の取組方針を伝え、協力を求める。
(6) 児童の生命、身体又は財産に重大な被害が生じるおそれがあるときは、直ちに警察等との連携を図る。
(7) いじめが起きた集団に対しても自分の問題として捉えさせ、集団の一員として、互いを尊重し、認め合う人間関係を構築できるような集団づくりを進める。
3 ネット上のいじめへの対応
* ネット上の不適切な書き込み等については、直ちに削除する措置をとる。
第5 重大事態への対処
1 重大事態の意味は、法第28号第1項第1号の「いじめにより当該学校に在籍する児童等の生命、心身又は財産に重大な被害が生じた疑いがあると認めるとき」の判断は次のとおりとする。
* 児童が自殺を企画した場合
* 人体に重大な傷害を負った場合
* 金品等に重大な被害を被った場合
* 精神性の疾患を発症した場合
* 学校の受け止めや対応について、当該保護者の理解が得られない場
合
2 重大事態が発生した場合は、直ちに教育委員会に報告し、調査を実施する主体等を協議する。学校が調査を行う場合は、「いじめ対策委員会」を中心に、被害児童・保護者の思いを踏まえるとともに、調査の公平性・中立性の確保に努め、事実関係を明確にする。
3 学校で行う調査の状況については、必要に応じていじめを受けた児童及びその保護者に対して適切に情報を共有する。
4 「いじめ対策拡大委員会」を開催し、指導・助言を得る。
5 調査結果を教育委員会に報告するとともに、被害児童やその保護者に対して、調査により明らかになった事実関係について説明する。
6 調査結果を踏まえ、当該重大事態と同種の事態の発生の防止のために必要な取組を進める。
第6 いじめに係わる啓発
1 PTAとの連携の下、いじめに対する理解を深める取組を推進す
る。
2 いじめの防止に関する学校の基本方針や取組をホームページ等で積極的に発信する。
(平成31年4月改訂)